最後の一口を残す癖がある。
美味しい物は尚更。
今もテーブルの上にあるグラスには一口分の赤ワインが残っている。
その一口を飲んでしまうと終わりになってしまう。
そう考えるとなんだか寂しくてつい残してしまう。
形がある物はいつか無くなってしまう。
そんなことは分かっているのだけれど。
分かっているからこそ、自分の手で無くしてしまうことに引け目を感じてしまう。
グラスに残る最後の一口。
こんな些細な物にこんなことを考えるのは馬鹿らしいのも分かっているけれど。
飲まずに寝てしまうのもアリかなとも思う自分もいる。