なぐりがきノート

保育士。昨日より今日は素晴らしい。

公園で出会った少年は、いつかの自分。

夕暮れ時、娘と近所の公園に遊びにいった時のこと。
少年3人組が虫取り網を持ってトンボとりに興じていました。
3人は兄弟なのかどうなかよくわからなかったけれど、年がそれぞれ離れているようで、一番大きい子で小学5、6年生ぐらいでした。

(今時の子どもも、公園で虫取りなんかして遊ぶもんなんだなぁ。)

近所のオジサンとして、微笑ましい気持ちでその少年達の様子を見ていました。
すると、一番幼い(小学1年生ぐらい)子が、何とかして高いところにいるトンボを捕まえようと、滑り台に登って網を振り回し始めました。
それでもトンボを捕まえられなくて、悔しがっていました。
すると、それを見て他の二人の少年がゲラゲラと笑いだしていました。
ケンカにはならなかったものの、滑り台の少年はとても悔しがっていました。
どうやらその子だけがトンボを捕まえられていなかったようでした。

その様子を見ていたら、ふと自分の幼い頃を思い出が蘇ってきました。

自分には4つ離れた兄がいます。
年長児から小学生低学年の頃、自分はいつも金魚のフンのように兄とその友達が行くところをくっついてまわっていました。
兄達が近所の公園に行くと言えば、補助輪付きの自転車に乗って喜んでついて行っていたんです。

思い出したのは、その頃のこと。近所の公園に兄達とトンボを捕まえにいった時のこと。
兄と兄の友達は次々とトンボを捕まえていました。
なのに、自分だけは上手く捕まえられなくてイライラしていました。
そんな自分なんかお構いなしに、兄達は「もう3匹捕まえたぜ!」、「だっせーの。俺は4匹だ。すげーだろ!」と、捕まえたトンボの数を競い合っていて、その姿がすごい楽しそうでした。
自分はトンボが採れないし、兄達の会話に混ざれないしで、イライラするし、悔しいしで、泣きそうになるのをこらえながら虫取り網を振り回していました。

そんなわけで、滑り台に登って網を振り回す少年は、まるでいつかの自分ようでした。

自分はすぐに帰ってきてしまったので、少年がトンボを捕まえる姿を見ることができませんでした。
ですが、あの少年はあの後、トンボを捕まえることができたに違いありません。
と、いうか絶対にそうであって欲しいです。
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