一瞬の風になれ/佐藤多佳子 著
以前、黄色い目の魚を読んでから、佐藤多佳子さんの本を色々読んでます。
サマータイム (新潮文庫)
ごきげんな裏階段 (新潮文庫)
しゃべれども しゃべれども (新潮文庫)
どれも面白くて、どうしてもっと早くこの人の本を読まなかったのか後悔してるほどです。
そして最近読み終わったのが、これ。
発売当時、本屋大賞になり、コミック化やドラマ化されていたので、
タイトルは知っていました。
でも、この本も佐藤多佳子さんが書いた本だったとは。
そしてこの本も、なぜ発売当時に読まなっかったのか後悔するほど面白かったです。
1巻から3巻まであるのに3日で読み終わりました。
読み進めずにはいられなかったですし、読み終わりが近づくにつれ読み進めるのがもったいなくも感じました。
高校の陸上競技を題材にした青春小説。
実は自分も学生の頃陸上や駅伝をやっていました。
最近ではそんなことも思い出すこともなかったんですけど、
この本を読んで当時のことを痛いくらいに思い出して、切ないやら懐かしいやら。
そんな私情もあいまって涙なくしては読めませんでした。
号泣している姿を見て娘(1歳)がびっくりしてました(笑)
文学的なことはよくわかりませんが、
この人の作品はどれも主観と客観のバランスがすごく上手いなと思います。
主観が走り過ぎたり、説明に偏り過ぎたりしないので、スッと感情移入できます。
そして、脇役のキャラがしっかり立ってるんです。
面白い物語は必ずといっていいほど脇役がしっかりしてますね。
この作品は個人的には主人公より脇役に共感できる部分が多かったです。
主人公の先輩も後輩もいい味出してました。
本当に読んで気持ちいい小説でした。
いやぁ、小説って本当にいいもんですねー(水野さんふうに)